チェルノブイリより (17)

原発30キロ圏内に暮らす「サマショール(帰って来た人たち)」~上~
74歳のバレンティナさん。「足が悪いので掃除が大変」と苦笑した。=チェルノブイリ
避難先から戻った彼ら「サマショール」は、ほとんどが中高年だった。福島の広い土地で生活していた人々が、避難先の小さいマンション生活で息苦しさを訴えることが多いのと同じだ。
以前、取材でお話を伺った南相馬市から避難しているおじいさんの言葉が思い出される。「コンクリートの箱に閉じ込められている」と東京でのマンション暮らしを表現していた。
土地の物を食べ、隣人とつながり合いながら生きてきた人々にとって、都会の孤立した生活は、拷問とも言えるのだろう。年老いたバレンティナさんが、言外に語っているようでならなかった。
【文・写真】諏訪都 田中龍作ジャーナルより転載させていただきました
【チェルノブイリより】毎週木曜日に掲載します。
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