あの時を心に刻む (68)
生活資金(貸出事業)
着の身着のままで避難して2週間が過ぎたころ、支援物資だけでは足りない、個別の必要を満たすための当面のお金に困る様子が浮かび上がってきた。中には財布も持たずに避難に応じた住民もいる。2万円の生活資金を町で貸し付けることになった。
貸出期間は1年間。貸出の初日は3月28日、ビッグパ レットふくしまから始めた。9時からと知らせてあったが、朝早くから多くの人が並んでいた。窓口で準備をしている職員に「早くしろ」という苛立ちが伝わってきた。開始すると「くれるのではなかったのか」という人も少なくなかった。そんな噂も流れていたらしい。
すぐに各避難所にも伝わり、貸出事業は12月まで続いた。最終的に2,767名に貸し付けを行った。
富岡町 「東日本大震災・原子力災害」 の記憶と記録 2011.3.11-2014.3.3 より転載
【あの時を心に刻む】
日本中が恐怖に震えた福島第一原発事故
もう二度とあんな事が起こらないように
祈りを込めて
毎週火曜日に掲載します。
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