真の復興とは何か?

【東日本活動マップ】 いわき放射能市民測定室たらちね 理事長 織田 好孝  
福島県歯科医師会会報より 
16142351_1320171308054293_9148207792803849767_n
復興とは本来、災害などで被害を受けた地域が「元の生活状態」に戻ることを言う。では、あれから5年半以上経った今、私たちの暮らす福島はどの程度復興できているのだろうか。
私たちは山や海の恵みを享受し、美しい自然の中でっゆったりと暮らしてきた。いとおしい日々の営みがあった。それらを突然根こそぎ奪われ、避難を余儀なくされ、いまだに仮設住宅で暮らす人や、放射能汚染への不安から故郷を離れざるえなかった人が大勢いる。それぞれの事情の中でギリギリ考えて出した結論は非難されるいわれなどないはずだが、なぜか被災者同士でヘイトし合う哀しい現実がある。しかも高まる復興のかけ声の前に、日に日に健康被害への心配を口に出し辛くなっている。

放射能被害という重い課題を背負った私たちにとって必要なのは、お上に頼り過ぎず、自ら原発事故由来の諸問題を勉強し情報をきちんと整理し判断し続けて行くことではないだろうか。
震災から数ヶ月後、いわき市を諸事情で離れられないお母さんたちの「この食物は子供に食べさせて大丈夫?」という不安を少しでも和らげるため、まずは食品の放射線量を自分たちで測定できないかと10人ほどの仲間で『いわき放射能市民測定室・たらちね』を立ち上げた。その後、全身の内部被曝検査、甲状腺検査、昨年からはストロンチウムやトリチウムを測定するためのβ線ラボを開設するなど、市民の真の安心のためにどうしても必要と思われる事業を順次立ち上げてきた。

とにかく何もせずに後悔したくない。少しでも被曝による健康被害の可能性があるなら、今やるべきこと今できることを実行しようという私たちの考えに賛同した団体や個人に寄付や協力を仰ぎ、ここまで夢中で測定室を運営し今に至っている。勿論、放射線による健康被害は専門家でも意見の分かれるところだが、私たちはあくまで「予防原則」にのっとりリスクは大きめに取るべきと考え、特に小さな子供を持つお母さんたちがより慎重になるのは当然で、その不安な心情に寄り添いつつ結果として未来への負荷を軽減できればいいとの思いでやってきた。

5年半が過ぎてもなお、原発事故は残念ながら収束したとは言えない状況が続いている。確かに空間線量も食材の放射線量もかなり低減してきた。しかし空間線量が下がっても、基準値を超える食材が減っても、土壌の汚染はまだまだ高く、海の汚染はこれからが正念場である。

国が帰還の上限としている「年間20mSv」は、放射線取扱従事者の被曝限度で、一般公衆に当てはめるのは無茶な話だと思う。レントゲン室のドアの「放射線管理区域」という表示は、その境界を越えれば年間では5.2mSv以上ありますよという印だ。労働基準法では、18歳以上しか働けない場所、医療法では、飲食をしてはいけない場所と定められている。そんな場所の約4倍もの線量の所に、小中学生も妊婦も帰っていいですよ、普通に飲み食いして生活していいですよ、というのはどうにもおかしな話で、もはや科学ではなく物語を語っているにすぎない。

「安全だ」「もう大丈夫」の声が益々高まる中、『たらちね』はこれからも不安を感じる人々の心情に丁寧に寄り添い、様々な外野の声に惑わされず、常に現状が本当に許される姿なのかどうか、慎重に冷静に自分たちの手で測定し、淡々と確認し続けて行きたいと思う。そうすることが、真の復興への一番の近道になると信じて。

【東日本活動マップ】 2011年3月に起きた福島原発事故による放射能で東日本は広く汚染されました。そこに暮らす人々は様々な活動を起こして放射能汚染に立ち向かっています。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

≪せいぶらいふあくしょん≫  

2013年11月、若者3人とおやじで始めました。現在、たくさんの方に参加・協力、応援いただいてます。(*^_^*)

light(明るい、軽い) で、 たのしく 無理なく、対話を通してface to face(顔の見える関係作り)を進めます。 

この横断プロジェクトは特定の団体に属さない非営利の市民活動です。

福島第一原発事故を教訓に、放射能から身を守り、脱原発を願う人たちとあらゆる思想・信条を超えてつながります.

≪活動内容≫    2016年9月現在

 1) 原発事故による放射能汚染や健康被害の存在をより多くの市民に知ってもらう→「気づき」の場
 2) 若者への原発/放射能情報発信、学習会 保養キャンプへの若者参加のコーディネートなど
 3) 食の安全ネットワークの構築→「交流・対話」の場 あんふぇす(食の安全フェスタ)の実施
 4) 被災者、避難者の人権擁護
 5)被災地の様子を伝え、原発事故が招く災害情報を正しく読み解く(メディアリテラシー)
 6)原発事故に由来する人権学習、環境教育、放射能防護教育、食育の推進

≪手をつないでください≫ 

このアクションに共感し、No Nukesを願う人誰でも歓迎です。
ひとりひとりが自ら考え行動する。手伝える人は手伝う。
ネットでつながるゆるやかな会です。

このプロジェクトに参加ご希望の方はinfo@save-life-acton.org、または☎080-5325-7128〔平野)まで

≪カンパのお願い≫   (^_^;)

振替口座:ゆうちょ銀行 00980-7-234353 セイブライフアクション

他行から:店名099/当座/0234353

この活動はすべてカンパによって運営されています。(1000円でステッカー約200枚分)

知人・友人に、会合で…ステッカー配布お願いします。
ステッカーを置いてもらえるお店など、ご紹介ください。
皆様からの投稿、メッセージお待ちしています。

ページ上部へ戻る