「避難指示解除」後の飯舘村(下)被災地の残酷な現実

新潮社Foresight1.22

原発事故前の飯舘村では、住民が積雪や凍結路に慣れ、村の除雪も「深さ15センチ」を基準に、委託業者が手早く作業をした。比曽の小盆地には県道と村道が南北に通り、雪の日は、スクールバスが走る前の早朝に、2つの土木業者が手分けをして除雪を済ませていた。

しかし、避難指示解除後も村の小中学校は再開しておらず、比曽に子どものいる若い家族が帰還する見込みもない。
「先月、除雪を請け負う業者がうちに来て、『この冬は、比曽と、隣接する長泥、蕨平の3地区を、1人(1台)でやらなくてはならない』と話していった。帰還者の生活環境を支援するのが政府や村の役目のはずではないか」

だが、いまだわずか602人しか戻っていない村(2018年1月1日現在、登録人口5880人で帰還率9.8%)には最低限の態勢しかなくなる。それもまた被災地の残酷な現実だ。このまま人口の激減が恒常化し、いつか村への政府の支援もなくなる日には、自立どころか、もはや自治体の維持も困難になるのでは、という懸念さえある。

「雪が多い時には、もう業者を待っていられないな。わが家の回りだけでなく、県道に通じる道も自力でやるしかない」
【写真】原発事故前、春の用水路の点検に集った比曽の人々。共同作業が暮らしを支えた。

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