あの時を心に刻む (105)
<避難のため町役場に集合した人たち(読売新聞社提供) 突然の避難指示 (1) 平成23年3月12日午前6時前、大熊町役場2階総務課の電話が鳴った。町長宛の電話の相手は内閣総理大臣補佐官。東京電力福島第一原子力発電所の半径10㎞圏内避難指示の連絡だった。その電話と並行し、町の災害対策本部には「警察官が町外へ避難誘導している」という目撃情報が寄せられた。役場にいた警察官も福島県警本部とやりとりし、避難指示が出ていると報告。本来、避難指示は警察から知らされるものではない。職員は福島県庁に電話をかけ、県の担当者にも確認をとった。10㎞圏内は町居住地のほぼ全域にあたり、この指示は「全町避難」を意味するに等しい。町は消防団な どに招集をかけ、地震からの復旧・救助活動に着手しようというところだった。県への電話を手に職員は思わず「町を捨てて逃げろってことか!」と声を荒げた。電話の相手は何も言わなかった。
【あの時を心に刻む】
日本中が恐怖に震えた福島第一原発事故
もう二度とあんな事が起こらないように
祈りを込めて
毎週火曜日に掲載します。
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