あの時を心に刻む (108)
爆発後の3月14日に撮影された福島第一原発の衛星写真(AFP PHOTO/DIGITALGLOBE)
突然の避難指示(4)
12日午後2時ごろには、町内にひと気はなくなった。避難しそびれた町民がいることを想定し、町幹部数人と消防団員ら計10人ほどが役場に残ったが、本部にいた東京電力社員が避難を促した。午後3時36分、福島第一原発から約4.7㎞離れた役場に「ドーン」という大きな音が響いた。1号機の水素爆発。瞬時に事態を察知した幹部たちも急いで町を後にした。
大熊を離れた町の災害対策本部は、田村市総合体育館に再設置された。田村市長にあいさつするため 先に町を出ていた町長と幹部たちが体育館で合流したとき、どこに町民がいるのか分からない状態だった。一方で、町民とともに各地の避難所に向かった職員たちも災害対策本部が田村市に設置されたことを知らない。町とは別に独自に避難した町民もいた。携帯電話や無線も通じない中、本部は周辺避難所を回って町民と職員の居場所を確かめるよりほかなかった。
【あの時を心に刻む】
日本中が恐怖に震えた福島第一原発事故
もう二度とあんな事が起こらないように
祈りを込めて
毎週火曜日に掲載します。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。