医療事務員の私からみた、たらちねクリニック
私がたらちねクリニックで医療事務職に就き、1年半が経ちました。それまで私は、甲状腺検診を受診する子どもの母親でした。お米や野菜の測定をたらちね測定室にお願いすることもありました。何に気をつければ良いのか、何をしてはいけないのか、そもそも放射能が何なのかさえわかりませんでした。その心配を誰に聞いてもらえば良いのか。
学校で甲状腺検診を受けられるのは、震災当時、福島県在住の子どもが対象でした。私は当時、福島県に住んでおらず震災後に引っ越しをしてきました。そのため、私の子どもたちは学校で受けることができませんでした。不安でいっぱいだった時、たらちねで行われている甲状腺検診を知り受診をしました。「ここでは子どもを診てもらえる」。あの時、とても安心したことを今でも覚えています。
震災後に福島県に引っ越してきて、まだ小さい2人の子を抱え、毎日ただ漠然と不安に過ごしていました。そんな私たち家族にとって、たらちねはとても心強い存在でした。たらちねクリニックに来院される患者さんも、皆さん同じように子や孫を想う方々です。そして、以前の私のように、このモヤモヤとした終わりのない不安を抱えた、お父さん、お母さんたちです。いわき市外、県外からもたくさんのお子さんが来院されています。何時間もかけ、受診に来るお母さんにお会いすると胸がいっぱいになります。心配な症状を、たらちねこどもドックの結果を見ながらお話しし、不安な食材や土壌については、併設しているいわき放射能市民測定室で担当スタッフが説明します。
皆さんお帰りの際は、ほっとしたような、さっぱりとしたような明るい表情です。私のように、たらちねに出会うことで救われるお母さんが増え、また子どもたちが健やかに成長できるよう、これからもスタッフの一員として患者さんのお力になれればと思います。
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