チェルノブイリより(135)

15) 汚染地域では、チェルノブイリ原発事故は今でも人々の生活のすべてに影響を与え続けている。放射性物質はいたるところにある。食べ物や水、ミルクにも。子どもたちが遊びまわる学校や公園にも。暖をとるために燃やす薪にも。
日本から遠く離れたチェルノブイリの原発事故。皮肉にも東京電力福島第一原発事故によって、日本に住むわたしたちの誰も無関係とは言えないできごととなってしまいました。
チェルノブイリ原発事故から25年後の2011年、東京電力福島第一原発が起き、原子力が使われている限り、どこでだって原発事故の悲劇が繰り返されてしまうリスクがあることを、世界中が思い知らされました。
あれだけの被害を生み出しておきながら、被害者への補償も不十分なまま、さらなる原発への投資へ躍起になっている原発産業とそれを支持する政府。日本の構図と重なってみえます。
高線量の地域の子どもたちの保養制度、健康診断制度、移住の権利など、日本もチェルノブイリ原発事故から学べることがあります。ウクライナではそうした制度があっても、国の財政が乏しかったためもあり、機能しない側面もありましたが、経済的にウクライナより恵まれている日本では、もっと住民を守れるはずです。
日本が、チェルノブイリ原発事故から学び、被害者の方々をまもっていくことができるか。世界中が、目を向けています。
【チェルノブイリより】 今回をもってこのシリーズを終了します。長らくご愛読ありがとうございました。
原発事故から30余年、チェルノブイリ周辺では今なお健康被害が深刻です。
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