大震災6年 故郷思い、晴れぬ心 避難先で進む定住
毎日新聞 3.04 「処分悩ましい」
福島県浪江町の菅野昭雄さん(66)は3年前、避難先の兵庫県三木市に家を新築した。故郷の家は、立ち入りが制限されている帰還困難区域にある。「放射能のことを考えたら、孫を呼び寄せるのも難しい」。帰還は半ばあきらめている。
浪江の家は、江戸時代から一族の歴史を刻んできた建物だ。福島を離れて大阪で仕事をしていた約10年前に相続し、「ついのすみか」にしようと大規模リフォームを施した。妻みずえさん(64)が先に移り住み、自身も早期退職して帰郷しようと考えていたころ、原発事故が起きた。
夫妻は今も墓参りなどに合わせて年に数回、自宅を見に行く。「先祖が苦労して維持してきたことを考えると、処分は悩ましい」。手放すかどうか決められないまま、リフォームのローンを払い続けている。
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