13億円かけて改修 開校1年 山木屋小、今春休校か

福島民友2.26  2月末まで受け付け、入学・転入児童なく

東京電力福島第1原発事故による避難指示が解除された川俣町山木屋地区に昨春開校した山木屋小が今春の入学、転入を希望する児童がいないため、休校措置になる可能性が高まっている。今月末までに通学希望者がいない場合、町教委は開校1年での休校判断を余儀なくされる。町教委は新年度以降も児童確保と早期再開を目指す方針だが、少人数教育などへの保護者らの不安は根強く、その道のりは険しい。

町教委によると、山木屋地区に住所がある新1~6年生は34人いるが、新年度、実際に山木屋小に通う児童は現時点ではゼロの状況だ。町教委は昨年11月、川俣町内の児童なら誰でも通える「通学区特認校制度」を新設し、同小継続への一手を打った。少人数教育など「山木屋ならではの特色ある教育」を保護者に呼び掛けたほか、説明会や学校案内の機会などを通して理解を求めてきた。

町教委に同制度への問い合わせはあったが、締め切りが迫る25日時点で通学を希望する前向きな連絡はない。ある保護者は「同世代の子どもと多く触れ合う機会がないことで、協調性が身に付かないのではないか」と、子どもは町内の別の学校に通わせるという。

新年度の教員人事も近づいており、児童募集締め切りは「今月末がぎりぎり」(町教委)。県教委の義務教育課は「町教委の思いを尊重したい」としている。

同小は原発事故後、町内の川俣南小の校舎を間借りして授業を継続した。地域の除染が進み、避難指示解除の議論が深まる中、町教委は2015(平成27)年度、山木屋地区での学校再開を保護者に打診。「人が集まるのか」などと不安を抱く保護者も少なくなかったが、「一人でも通う子どもがいれば開校準備を進めたい」とアピールした。

同地区は17年3月末に避難指示が解除され、町は約13億円の事業費で山木屋小の校舎を改修。小学生と中学生が同じ校舎で学ぶ「小中一貫校」として昨春開校し、本年度は小学6年生5人と中学2、3年生10人が避難先からスクールバスで古里の校舎に通っている。

町教委によると今春卒業する児童5人は、町内外の別の中学校に進む予定。このため中学校も新年度は新3年生3人にとどまる見通しで、来春は休校を迫られる可能性もある。佐久間裕晴町教育長は「今後も小、中学校ともに通学の募集は続ける。関心を示している人らに粘り強く(山木屋の)教育の良さを訴えたい」と話した。

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