セシウム吸収抑えるコシヒカリ開発
農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市)は、従来のコシヒカリより放射性セシウムの吸収が半減した新品種を開発した。
同機構の石川覚・作物リスク低減ユニット長らは、コシヒカリにイオンビームを照射して遺伝子に突然変異を起こし、根からナトリウムイオンを排出させないようにした。根の細胞内でナトリウムイオン濃度が高まり、セシウムの取り込みが抑えられた。
従来のコシヒカリと一緒に汚染土で試験栽培したところ、セシウム濃度は玄米中で55%、稲わらで59%下がり、国の基準値を十分下回った。稲穂の数や収穫された玄米量は従来のコシヒカリとほぼ同じで、食味も外部機関の評価で「ほぼ同等」だった。
セシウム対策では、カリウムイオンを肥料として与えてセシウムの吸収を抑える方法が効果をあげている。福島県内では基準値を超えるコメは2年前から見つかっていないが、経費や労力がかかっている。
石川ユニット長は「カリウム施肥と組み合わせればさらに効果が上がる。営農を再開する地域で導入を検討してほしい」と話す。
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