6年たった今で も、外遊びや自然とのふれあいが戻っていない
福島の子どもたちを取り巻く環境は震災以来すっかり変わってしまいました。放射能 の影響は福島を広く覆っており、6 年たった今でも、震災前と同じ線量にはもどってい ません。それにより、子どもの健康被害を不安に思う保護者は避難したり、福島での外遊びを制限したりしてきました。
5月に福島県保育連絡会が発行した「福島の保育 第 14 集」からは福島の保育の現況を知ることができます。
はじめに、の冒頭部分で、事故当時1歳だった子を例にとり「原発事故はその子 その大切な『1歳児らしい生活』を根こそぎ(‼)奪ったのです」と書かれています。
本当にそうです。不安をもたずに福島で生活する、ということはわたしには不可能ですし、ほとんどの方は口にこそ出しませんが、多かれ少なかれそう思っていると思いま す。それは、不安や怒り・憎しみ・恐怖・悲しみといった負の感情は、生き物が生きて いくための、命を守るために必要な感情だからです。 しかし、それは他人から承認されませんので、表に出てきません。
一方、にこにこ・ 元気・やる気・まじめ・素直といった感情は他人から承認されますので、表に出しやいのです。福島の復興を、福島に住むわたしたちが喜ばないわけがありません。しかし、 負の感情があるということをきちんと自分で統合できてこそ、感情を制御できるのであって、「不安に思うな」という方が無理なことなのです。先の白書には6年たった今で も、外遊びや自然とのふれあいが事故以前のところまでは戻っていないことを示してい ます。
福島で保護者を支える保育士として (NPO法人 青空保育たけの子 代表 辺見妙子)
保養の公的支援を求める要望書 記者会見資料 2017.6.26より 全文はこちら 写真はたけの子より
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