<原発事故>母親の放射線不安 今も根底に
東京電力福島第1原発事故の心理的影響について、福島大の筒井雄二教授(実験心理学)の研究グループは20日、福島市内の母子を対象にした今年の調査結果を公表した。設問「洗濯物を外で干すか」への答えでは「干さない」が18.2%で、東日本大震災直後の59.6%から激減。ただ他県の7.4%とは差があり、放射線不安は依然として解消されていない。
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「洗濯物を外で干すか」に対する回答の年別推移と、兵庫など他県の状況はグラフの通り。「干さない」が年々減っている。
子どもの飲み水については「非常に気にする」が29.0%。2012年(49.3%)や13年(51.5%)からは大きく減った。他県(20.0%)より割合が高い状況は変わらない。
研究グループは心理的ストレスの有無も調査。「気分が落ち込むことがある」は43.5%で、11年の59.4%から減ったが、他県(33.6%)より高い水準だった。
筒井教授は「放射線に対する母親の不安やストレスが子どもの発達に影響を与えることも懸念される。心理学的に母親をどうケアしていくか、自治体と連携して考えたい」と話した。
調査は1月、小学生や幼稚園児を持つ福島市の母親を対象に実施し、約2500人から回収した。避難区域からの避難者は含まない。
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