子どもたちの受け皿になる医療機関を
インタビュー 子どもたちの未来に向けて(前編)
鈴木薫|認定NPO法人いわき放射能市民測定室たらちね事務局長
―あらためて、クリニック開設の理由を教えてください。
原発事故から6年たち、甲状腺がんの問題も大きなことだとは思っていますが、たらちねが事務局として関わっている沖縄 球美の里の保養事業で子どもたちの健康状態を見るにつけ、前よりもお薬をたくさん飲んでいるなど、慢性的な病気、これといった重大な病気ではないけれど風邪を引きやすい、アレルギーがあるといった子が増えているなと感じており、それは今後ますます増えていくのではと不安になっていました。クリニック開設は、そうした子どもたちの受け皿になる医療機関が必要だという思いからでした。
また、被ばくという経験を踏まえ、オープンな形で健康相談ができる医療機関が今のところそれほど多くありませんでしたので、地域の人がゆったりとした環境で医師にお話ができるクリニックが必要だと思いました。
―チェルノブイリに学ぶクリニックの役割はなんですか?
チェルノブイリから学ぶということが、私たちはとても大事だと思っています。事故から30年近くたつ中で、チェルノブイリではいまだに体の中からセシウムが検出される子がいますし、学校の中で普通に体育の授業を受けられる健康な子が2割に満たないという情報もいただいています。30年たっても、あるいは事故当時存在すらしていなかった子どもたちが、いまだに健康被害を受け続けている。環境が汚染されるとはそういうことだと思います。
福島がチェルノブイリとは違うとは言えないと思います。「大丈夫かもしれないけれど危険かもしれない」どちらの考え方もあると思いますが、私たちはチェルノブイリの前例から学び、予防するという観点から「危険かもしれない」という考えに立ち、子どもたちの健康を見守っていきたいと思っています。
(続きは、次号に掲載いたします)
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