医師としての立場から
これまで、甲状腺エコー検診や相談活動を通して、保養にいく方からも、避難してい る方からも、それ以外の方法で原発事故由来の被ばくを避けている方からも、お話を聞 いてきました。
六年経った今も、追加被ばくについて不安を持った保護者が、「不安を持ってはいけない」と押さえつけられている状況が続いています。 それは医師の立場から見てもおかしいことだと考えています。
大切なことは「その方 の不安な気持ちをまずは受け入れる」ことではないでしょうか。 相手の不安を受け入れてはじめて、対等な立場での「リスクコミュニケーション」が 始まります。
様々なデータや見解がありますが、まだ確定的なことが分かっていない以上、可能な 範囲で被ばくリスクを減らそうとする個々人の試みは正当なものです。
今回当事者と支援団体が公的支援を求めている「保養」は、選択肢の一つとして重要 なものでしょう。 現実として、毎年多くの方が保養に出かけており、保養先が本当の想いや不安を吐き 出せる場になっているようです。
保養は、「福島が危険だ」と言うためのものではなく、 リフレッシュや子どもの健やかな成長のための貴重な機会となっています。 公的に支援していく意味がある活動だと考えます。
さがみ生協病院の内科部長 牛山元美
保養の公的支援を求める要望書 記者会見資料 2017.6.26より 全文はこちら
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