チェルノブイリより (50)
「この場所の空間線量率は、1時間あたりおよそ4マイクロシーベルトです。」
ツアー客が上げる驚きの声、それは「毎時4マイクロシーベルト」という放射線量が通常の何十倍の値で、健康を害する可能性がこれだけ増えて、ということを知っている恐怖の声と言うよりも、次々と数値が増えていくことで、あたかも新記録が出て喜んでいる声のように聞こえる。
そしてそのいびつな期待を裏切らない、チェルノブイリ原発事故26年目の現場の厳しい現実を強く感じる。
チェルノブイリ26年後の健康被害 低線量汚染地域からの報告
馬場朝子、山内太郎著 NHK出版(2012年9月発行)より抜粋 その8
【チェルノブイリより】毎週木曜日に掲載します
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