チェルノブイリより (43)
いつもの海外取材なら帰国が近づくこの時期は、体は疲れているものの、帰国後の番組完成作業に向けて頭が冴え、、気分も高揚するものだ。しかし、この日、車の中のスタッフの口数は少なかった。
その理由は、私たちがこの3週間で見聞きしたウクライナの厳しい現実だった。
今回の取材のメインテーマは「放射線汚染地帯の住民の健康状態」。
その健康状態が私たちの想像をはるかに超えて悪かったのだ。
私たちの脳裏には原発事故のせいで健康を害したと語る人々の叫びが焼き付いていた。
チェルノブイリ26年後の健康被害 低線量汚染地域からの報告
馬場朝子、山内太郎著 NHK出版(2012年9月発行)より抜粋 その1
【チェルノブイリより】毎週木曜日に掲載します
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