チェルノブイリより (44)

「めまいとジストニアがあります。体育の時、具合が悪くなることが多いです。4年生からずっとこんな具合で、毎日薬を飲んでいます。」
「生まれつき心臓が悪いんです。頭も痛いし、薬を毎日飲んでいます。」
「甲状腺肥大です。生まれてからずっと、足や頭が痛くなることが時々あります。毎年、入院しています。薬も飲んでいます。」
私は13、14歳の子どもたちが淡々と、そして次々に自分の健康状態の悪さについて語ることに愕然とした。彼らは訴えるでもなく、あたりまえの様子で自分が生まれてこのかた向き合い続けている病気について教えてくれた。
それだけに、それは痛切な叫びとして私たちの脳裏に強く焼き付いた
チェルノブイリ原発から140km離れた町の学校、日本の中学2年生に当たる8年生の授業で
チェルノブイリ26年後の健康被害 低線量汚染地域からの報告
馬場朝子、山内太郎著 NHK出版(2012年9月発行)より抜粋 その2
【チェルノブイリより】毎週木曜日に掲載します
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