大津市、住民ら避難訓練
中日新聞 5.27 原発30キロ圏外、油断せず備え
大津市は十三日、関西電力大飯原発(福井県おおい町)での事故を想定した原子力防災訓練を実施した。三十キロ圏外での訓練は県内で初めてで、市は今後も定期的に行う方針。
大飯原発で事故が発生し、国から屋内退避指示が発令されたとの想定。葛川学区全域と伊香立上龍華町、伊香立途中町の住民ら百六十八人が参加した。
防災メールなどで情報を共有し、十三ある自治会ごとに会館に集合した。市の借り上げバス八台に分乗し、避難中継所となる伊香立中学校の体育館に移動。市保健所の職員から放射線量を計測するスクリーニングを受けた。同市葛川坂下町の山本伊三郎さん(65)は「福島の原発事故で大飯原発に関心を持つようになった。これからも訓練に参加したい」と話した。
国の原子力災害対策指針は、三十キロ圏外の自治体に避難計画の策定を求めていないが、東日本大震災による福島第一原発事故では、四十七キロ離れた福島県飯舘村で高い値の放射線量が計測された。これを受けて市は二〇一五年、大飯原発から四十七キロ圏内の地域も含めた避難計画を策定した。
越直美市長は「多くの人が来てくれてありがたい。三十キロ圏外でも大きな被害が出たことを教訓に、線引きせず計画を検証していきたい」と総括した。四十七キロ圏内の他の地域でも、十一月ごろ訓練をするという。(市川勘太郎)
【写真】スクリーニング訓練に参加する住民ら=大津市下在地町の伊香立中で
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